「35歳を超えたら転職は厳しくなる」——いわゆる「35歳の壁」という言葉は、ITエンジニアの転職市場でも根強く語られています。しかし2026年現在、エンジニア不足が深刻化する中でその「壁」の実態は変わりつつあります。
本記事では、35歳ITエンジニアの転職が本当に厳しいのかどうか、厳しいとすればどのような理由からなのか、そしてその壁を乗り越えるための具体的な戦略まで、現役エンジニア目線で徹底的に解説します。
- 35歳ITエンジニアの転職市場の現実
- 転職が厳しくなる具体的な理由
- 35歳でも転職を成功させるための戦略
- 35歳エンジニアに向いている転職エージェント
35歳ITエンジニアの転職は本当に「厳しい」のか?
結論から言えば、「厳しいが、不可能ではない」というのが正直なところです。ただし、20代・30代前半と同じ感覚で転職活動を進めると、想定外の苦労をすることになります。
厳しいと感じる背景:「35歳の壁」の正体
かつての転職市場では、年齢制限を設ける企業が多く、35歳以上への求人紹介が実質的に絞られていました。2013年の「改正高年齢者雇用安定法」以降、年齢を理由にした採用拒否は制限されましたが、暗黙の年齢フィルターは現場感覚として残っています。
特にITエンジニア職では、以下の点で35歳前後から求人傾向が変化します。
- 「即戦力かつ管理職候補」を求める求人が増える
- 若手向けのポテンシャル採用から外れる
- 年収レンジが上がり、採用ハードルが上がる
2026年のITエンジニア市場:実は売り手市場?
一方で、2026年現在の市場動向を見ると、DX推進・クラウド移行・AI実装など企業のIT投資は拡大し続けており、即戦力のミドルエンジニアへの需要は高水準です。経済産業省の試算によれば2030年には最大79万人のIT人材不足が予測されており、35歳のベテランエンジニアは「貴重な戦力」として評価される場面も増えています。
つまり、「何でもできそう」な若手より「これができる」という専門性を持った35歳のほうが、むしろ市場価値が高い局面があるのです。
35歳エンジニアの転職が厳しくなる5つの理由
それでも「厳しさ」を感じる現実的な理由を把握しておきましょう。
① スキルセットが古くなりがち
同じ会社・同じプロジェクトに長く携わっていると、使用技術が特定のレガシーシステムに偏ることがあります。COBOLやVB6、古いフレームワークのみの経験では、モダンな開発環境を求める企業には通用しにくくなります。
② マネジメント経験を求められるが、ないケースも多い
35歳以上の転職では「チームリード経験」「PMO経験」を求める求人が増えます。ずっと技術職一筋だと、これらの経験がなく、アピールポイントが絞られてしまうことがあります。
③ 年収期待値のミスマッチ
現職の年収が高い場合、転職先でも同水準以上を希望するのは自然ですが、企業側の想定レンジと合わない場合があります。特にSIer→自社開発転職ではポジション・文化の違いによる年収ギャップが生じやすいです。
④ 転職慣れしていない
20代の転職者に比べ、35歳は新卒入社から一社目で長く働いているケースも多く、面接・職務経歴書の作成に慣れていないことがあります。エージェントのサポートをフル活用しないと、準備不足のまま選考に臨んでしまいがちです。
⑤ 家族・住宅ローンなど生活上の制約
35歳前後はライフイベントが重なる時期でもあります。「大きなリスクは取れない」「給与ダウンは受け入れられない」という心理的制約が転職活動を慎重にしすぎる原因になることも。
35歳でも転職を成功させる5つの戦略
① 「専門性」を前面に押し出す
35歳に求められるのは「ポテンシャル」ではなく「即戦力としての専門性」です。自分が最も強みを持つ技術領域・業務ドメインを明確にし、「この分野ならこの人」と思わせるポジショニングが重要です。
例えば:
- AWS インフラ設計 に特化したクラウドエンジニア
- Java Spring Boot でのマイクロサービス構築経験
- Python 機械学習 を使ったデータ基盤構築
② スキルアップデートを証明する
技術的な新しさを示すためには、資格や個人開発・OSS貢献が有効です。
| 分野 | 取得推奨資格・実績 |
|---|---|
| クラウド | AWS認定ソリューションアーキテクト、Google Cloud Professional |
| セキュリティ | 情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)、CompTIA Security+ |
| プロジェクト管理 | PMP、IPA プロジェクトマネージャ試験 |
| AI・データ | G検定、E資格、AWS Machine Learning Specialty |
③ 転職先の「種類」を戦略的に選ぶ
35歳エンジニアが転職しやすい・成功しやすい企業タイプは以下の通りです。
- 自社開発系スタートアップ〜中堅企業:即戦力でアーキテクト・リードを担える人材を求めている
- DX推進中の事業会社(ユーザー企業):IT部門強化のため経験豊富なエンジニアを積極採用
- 外資系IT企業:年齢より実力主義。英語力があれば大きなチャンス
- コンサルファーム(ITコンサル):上流工程経験が豊富なSIer出身者は高評価
④ 職務経歴書を「成果ベース」で書き直す
「〇〇システムの開発に携わった」という記述では不十分です。「チーム5名のリードとして、3ヶ月で〇〇機能をリリースし、処理速度を40%改善した」のように、役割・規模・成果を具体的な数字で示しましょう。
⑤ 転職エージェントを複数活用する
35歳以上の転職では、非公開求人へのアクセスと面接対策のサポートが特に重要です。一社だけでなく複数のエージェントに登録し、それぞれの強みを活かすのが賢いやり方です。
35歳ITエンジニアにおすすめの転職エージェント3選
35歳エンジニアの転職では、IT・技術系に強く、ミドル層の転職サポート実績があるエージェントを選ぶことが重要です。
🥇 第1位:レバテックキャリア
平均年収UPあり
ITエンジニア・クリエイター専門の転職エージェント。業界最大級のIT特化求人数を誇り、エンジニアが面談担当という特性から技術的な強みを正確に理解してもらえます。35歳以上のミドルエンジニアの転職支援実績も豊富。
こんな人に向いている
- SIerから自社開発企業への転職を考えている
- 技術力を正当に評価してほしいエンジニア
- 年収600万円以上を狙いたい
- 非公開求人を多数確認したい
登録〜内定までの流れ
- 公式サイトから無料登録(5分程度)
- キャリアアドバイザーとのオンライン面談(60〜90分)
- 求人紹介・応募書類の添削
- 企業への応募・面接対策
- 内定・条件交渉・入社
🥈 第2位:doda(デューダ)
業界最大級の求人数
総合型の大手転職エージェントですが、IT・エンジニア部門も充実。求人数が業界最大級で、大手・中堅・スタートアップまで幅広い選択肢を持てます。35歳の転職では選択肢の広さが重要なため、最初に登録すべきエージェントの一つ。
こんな人に向いている
- 業界・企業タイプを幅広く比較したい
- 大手・上場企業への転職を狙っている
- 転職初心者でサポートを手厚く受けたい
- スカウト機能で受動的に情報収集したい
登録〜内定までの流れ
- 公式サイトから無料登録(3分程度)
- エージェントとの面談(対面またはオンライン)
- 求人紹介・職務経歴書サポート
- 応募・企業面接
- 内定・入社サポート
🥉 第3位:マイナビエージェント(IT特化)
手厚いサポート定評
マイナビエージェントのIT・エンジニア専門チームは、中堅SIer・メーカー系企業への転職に強みがあります。面接対策や書類添削のサポートが手厚く、転職慣れしていない35歳には心強い味方。
こんな人に向いている
- 転職活動が久しぶりで準備の仕方がわからない
- 安定した中堅〜大手企業へ転職したい
- 面接対策を丁寧に受けたい
- 首都圏以外(地方)での転職を検討している
登録〜内定までの流れ
- 公式サイトから無料登録
- 専任担当者とのキャリア面談
- 求人提案・書類作成サポート
- 面接対策・企業への応募
- 内定後の条件交渉・入社サポート
35歳エンジニア転職でよくある失敗パターン
失敗① 「今の会社より良い条件」だけを軸にしてしまう
年収・福利厚生・ポジションなど「今より上」だけを条件にすると、ミスマッチが起きやすくなります。5〜10年後のキャリアパスから逆算して転職先を選びましょう。
失敗② 技術的なアップデートを怠って応募する
書類選考の段階でスキルの古さが露見すると、面接まで進めません。応募前に最低1〜2個の最新技術・資格を追加しておくことで印象が大きく変わります。
失敗③ 一社だけのエージェントに頼りすぎる
エージェントごとに保有求人・得意分野が異なります。2〜3社に並行登録して比較・検討するのがベストプラクティスです。
失敗④ 転職活動を急ぎすぎる
在職中の転職活動であれば、焦って決める必要はありません。35歳は経験値があるぶん、3〜6ヶ月かけてじっくり活動することで良い選択ができます。
35歳エンジニアの転職成功事例(パターン別)
| 経歴 | 転職先 | 変化のポイント |
|---|---|---|
| SIer・Javaエンジニア10年 | 自社開発メガベンチャー | AWSを独学し資格取得。設計〜運用の経験が評価された |
| Webエンジニア(PHP)8年 | 外資系SaaS企業 | 英語力とOSS貢献を武器に年収200万円アップ |
| インフラエンジニア12年 | 事業会社のIT部門(DX推進) | ベンダーマネジメント経験が高評価。ワークライフバランス改善 |
| プロジェクトリーダー(SIer) | ITコンサルファーム | 上流工程・顧客折衝の豊富な経験を評価され年収UP |
- 「今の経験+新しいスキル」の掛け合わせが評価される
- スペシャリストとしての深さ OR マネジメント・上流経験の幅が鍵
- 転職エージェントを通じた非公開求人へのアクセスが重要
よくある質問(FAQ)
Q. 35歳でプログラマーとして転職できますか?
A. 可能です。ただし「現場でコードを書き続けたい」という意思を明確に持ちながら、現役で通用する技術力を証明することが条件になります。GitHubの公開リポジトリや最近の開発実績を示すと効果的です。
Q. 35歳で未経験分野(例:AIエンジニア)への転職は可能?
A. 完全未経験は厳しいですが、既存のエンジニア経験を活かしながら新分野へシフトする(例:インフラエンジニア→MLOps)なら現実的なルートです。副業・個人開発で実績を作ることが転職成功の近道です。
Q. 転職エージェントは何社登録すべきですか?
A. 2〜3社が目安です。多すぎると管理が大変になりますが、1社だけでは求人の幅が限られます。IT特化型1社+総合型1社の組み合わせが効率的です。
Q. 転職活動期間はどれくらいかかる?
A. 35歳の場合、平均的に3〜4ヶ月程度かかるケースが多いです。在職中であれば焦らず6ヶ月を見越して進めるのが安全です。
まとめ:35歳の「壁」は戦略で越えられる
35歳ITエンジニアの転職は、確かに20代の転職と比べると「ハードルが上がる」面はあります。しかし、正しい戦略と準備があれば十分に成功できる年齢です。
重要なのは以下の3点です。
- 専門性を明確に打ち出す:「何でもできる」より「これが得意」が刺さる
- スキルを常にアップデートする:最新技術への対応を証明する
- 適切な転職エージェントを活用する:非公開求人・面接対策で差をつける
2026年現在、ITエンジニアの需要は高止まりが続いており、35歳のベテランエンジニアを求める企業は確実に存在します。まずは転職エージェントに登録して、自分の市場価値を客観的に把握することからはじめましょう。
- レバテックキャリア・dodaなど複数エージェントに登録し、市場価値を確認する
- 職務経歴書を「成果ベース」で書き直す
- 保有スキルの最新バージョンへのキャッチアップ計画を立てる
※ 本記事の情報は2026年4月時点のものです。転職市場の状況・各エージェントのサービス内容・求人数などは変更になる場合があります。最新情報は各公式サイトにてご確認ください。掲載しているアフィリエイトリンクは本サイトの運営費用に充てられています。


コメント